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enterprise IT アーカイブ

2007年05月10日

「IT投資の企業価値ガバナンス」

実務処理や大学院の授業など目の前のことばかりに力をそそいで、重要なことを見落としてはいけませんということなのでしょう。いやー、まったく。

詳しい概要説明(って変な日本語だ)は CNET 渡辺さんのエントリにあるので、そちらを読んでいただくとして、大学院でのテーマと実務での問題意識の両方にとても参考になるので、少し抜粋。

ISACA(情報システムコントロール協会)東京支部のメンバー向けアナウンスメントで、ITガバナンス確立のためのフレームワーク及びケース資料が日本語化されたというお知らせがあった。

で、抜粋の抜粋で情けないだけれど、この「ITガバナンス確立のためのフレームワーク」が何を意味しているのかは次の通り。

今日では、情報化を機軸とした事業の変革がますます増加しており、このことは、歴史的にみても複雑性やリスクが高くなっていることを意味している。伝統的に適用されてきた経営慣行が、もうそれだけでは十分ではなくなってしまったということだ。これが示していることは明確で、情報化投資は確かに大きな見返りをもたらす可能性があるが、それは正しいガバナンス及び管理プロセス、そして全てのレベルの経営者からの全面的なコミットメントと参加があってこそのものである。しかし現在に至るまで、経営者は情報化投資を検討するための明確な方法や、情報化投資に内在する成功や失敗の可能性を報告あるいはモニタリングする明瞭な方法を持ち合わせていなかった。

IT 投資と管理のためのガイドラインの不足を考慮し、ITガバナンス協会(ITGI)は、ビジネスやIT 業界の一流の専門家と共に、Val IT イニシアチブに着手した。本イニシアチブは、リサーチ、出版、サポート・サービスを提供するもので、その目標は経営者が上記のような課題に取り組む際、企業として、負担のできる費用で、また既知であり受け入れられる程度のリスクで、情報化投資から最大の価値を実現できることを支援することである。

ファイルのダウンロードは渡辺さんのエントリを参照ください。

現在「ITポートフォリオ戦略論—最適なIT投資がビジネス価値を高める」という本を読んでいるので、非常に興味があるところです(読む時間があるかどうかという問題もあるのだけれど……)。

日本語に翻訳された方も、紹介してくれた渡辺さんも、ありがとうございます。

ITポートフォリオ戦略論―最適なIT投資がビジネス価値を高める
ピーター ウェイル マリアン ブロードベント Peter Weill Marianne Broadbent 福嶋 俊造 マイクロソフトコンサルティング本部
ダイヤモンド社 (2003/08)
売り上げランキング: 105282
おすすめ度の平均: 4.0
2 実践的ではない
5 ピーター ウェイル、日本初の翻訳書
3 アメリカのビジネススクールの本だなぁ

2007年09月30日

企業における「情報」と「コミュニケーション」

大学院における研究テーマ模索の一環として最近考えているのは、企業における「情報」と「コミュニケーション」とは、という疑問。

ブログのヘッダにあるように、もともとはコミュニケーション技術の進化や「利用するIT」化が企業のICT環境・投資に与える影響について考えたいと思っていたのだが、企業にとってのICTとはそもそも何なのか、一度ちゃんと考える必要があるのでは、とふと思った。

ICT という言葉は Information and Communication Technology の略である。日本語にすると「情報とコミュニケーションの技術」である。つまり企業にとってのICTとは何なのか、を言い換えると、企業にとっての情報とコミュニケーションの技術とは何なのか?という疑問にいきつく。

情報には、とりあえず、「デジタル情報」と「アナログ情報」の2種類がある。

財務・会計情報などのデジタル性の高い情報の処理システムは早くから企業において採用されてきた。例えば製造業なら、購買管理〜生産管理〜財務・会計〜販売管理〜顧客管理と業務プロセスが異なっていても、一つの情報(例:製品Aを顧客Bへ販売した際の販売品目、数量、価格)は、システムが適切に連携されていれば、適切に展開されて(例:販売数量 -> 生産数量 -> 購買数量)、それぞれの業務プロセスで適切に取り扱われている(例:販売をトリガーにした生産調整、生産調整をトリガーにした購買依頼)。

声や音楽や静止画像や動画のようなアナログ情報についても、適切にデジタル情報に変換(アナログ/デジタル変換)することで、コンピュータによりハンディに取り扱うことが可能である。しかし、デジタル化されたアナログ情報の処理システムの企業での採用は広く連携されていない。CG化された広告用音声/動画データ、企業内IP電話による音声データ、TV会議の画像データなどなど。

デジタル情報であれば比較的ハンディに処理できそうなのだけれど、しかし、逆にデジタル情報として表現される企業における情報にはなにがあるかと考えはじめると、急に難しくなる。

また「コミュニケーション」についても、「通信」という狭い領域でなく、広い意味での「コミュニケーション」と捉えて、その可能性について考え始めると際限が無くなるような気がする。

というわけでまとまりがないけれど、すこし(いや、相変わらず)切り口を見失っているのが最近の状態、ということである。

このあたりについて整理した、あるいはとっかかりとなる素材って、どこかにないかしら……

2008年10月25日

企業の境界線とクラウドコンピューティング

ITmedia のデジタル革命の原動力となる7つの「破壊的トレンド」という記事で、

ニューメディア
ソーシャルソフトウェア
拡張現実
情報の透明性
新しい波の波
プラットフォーム刷新
スマート化する世界

などの領域における動向がそれなりにハンディな形でまとめられている。

こういう領域の流れを実際の企業活動へ適用・応用しようとすると、必ず議論になるのがガバナンスの問題である。企業における資源としての情報の範疇をどう定義し、それぞれの活動をどのようにコントロールするのか?

たとえば、新たなサービス形態としてのクラウドコンピューティングはエンタープライズITの分野でも非常に注目されている(ただ、まともに利用している人は非常に少ない)。しかし、実際の企業活動への適用・応用を試みると、上記のような議論がかならず沸き起こる。旧守派(多くはオペレーションに携わる人達)と革新派(多くはインプリメンテーションに関わる人達)の間にわき起こる、ちょっとした不毛な争いというのはよく見られる光景である。

で、この利用者側における議論を解決できるように、企業におけるガバナンスの新たな境界線をクラウドコンピューティングに関係するプレイヤーが提示できているかというと、現状はできていない。アウトソーシングモデルは一つの解だが、万能な解ではない。"One doesn't fit all" である。

ということで、クラウドコンピューティングで企業ガバナンスの形・境界線がどのように変化するか、がこれから注目である。

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