久しぶりに gree にログインした時に、すこし古い読書感想文(レビューともいうけれど)を見つけた。人目につかないところにうずもれてる感じがしたので、ブログに転記してみる。
矢作 俊彦
角川書店 (2002/03)
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ずいぶん前に読んだ本だけれど、小説っていいよねと、その力強さを深く感じさせてくれた本であり、もう一度読みたいと思ってる。
特に東京出身で大阪にいる人や、大阪出身で東京にいる人(僕はこの類である)だと、感じるところは結構大きいかも。逆に一箇所にとどまっている人には、日本(=じゃぱん)の多様性、多層性がぴんとこないかも。
しかし、この本、もともとは新潮社から上下巻で出ていたのが、角川から一冊で出ているのね。このほうが胡散臭くって、むしろいいかも。(2004/07/29)
アルバート・ラズロ・バラバシ 青木 薫
NHK出版 (2002/12/26)
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「ネットワーク」というキーワードを生業にしている人たちは、この本に書かれていることをどこかしら直感的または無意識に理解しているのじゃないのかな、と思う。テクノロジーとしてのネットワークを考える場合でも、ソーシャルな人的ネットワークを考える場合でも、フラットなネットワークとして考えるよりは、繋がり方のパターンに何らかの法則があると感じるはず。
その繋がり方の法則について、この本は「世界の誰とでも六人で繋がっている」、インターネットの弱点は?ケヴィン・ベーコン・ゲーム、 Google とアインシュタインの繋がり、エイズの急速な広がり、Web リンクのトポロジー、アルカイダの組織、Hotmail 成功の理由など、次々に繰り出される話題をつかって、興味を絶やすことなく語っている。そういう意味では、頭の中でなんとなくもやもやしていたことをうまく晴らしてくれる好著であるし、「ネットワーク」というキーワードを生業にしている人は一度ぐらいは目を通しておいても悪くない本だと思う。(2004/08/28)
岩井 克人
平凡社 (2003/02)
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アメリカ型の資本主義、会社システムと日本型の資本主義、会社システムを対比させるやりかたで、グローバル化、IT革命、金融革命の三つのキーワードを中核として、「会社」がこれからどうなっていくのかを、とても平易な言葉で説明している良著。
他の本とこの本の違いは、平易な言葉を使っているだけではなく、本の前半で、そもそも、会社とは何であるのかを、平易な言葉でわかりやすく解説していること。平易な言葉をつかっても、説明がわかりにくいこともあるのに、そういう罠にはまっていない。これは、まえがきにもあるのだが、著者自身が「わたし自身、一度も会社で働いたことがない純粋培養の学者です」ということをよく理解したうえで、「現実とはすこし離れた位置から、物事を構造的・長期的に眺めて」みた結果であると思われる。
裏オビに「中学生でもわかること。おたくの社長の知らないこと。」という糸井重里のコピーが書かれているが、企業経営に近い立場にいる人にはぜひ読んでおいて欲しい本である。(2004/08/28)
小川 洋子
新潮社 (2005/11/26)
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台風が来ている日に外出するのも面倒なので、ずいぶん前に買っていながら手付かずだったこの本を読みました。で、一気に読みきりました。かなり良質の小説です。読みはじめから最後の最後まで手を抜くことなく書かれていて、下手なハリウッド映画を借りて見るより、楽しめます。
この作者の小説ははじめて読んだのですが、いいですね。個人的には、料理や食事のシーンをうまく書ける作家を高く評価する傾向にあるのですが、この人もうまいです。
悪意や悪人の出てこない、ディセントな人たちだけのディセントかつ奇抜な設定の物語(80分だけ継続する記憶、回文、素数、江夏豊、野球カード、オイラーの公式等)ですが、嫌味がなくて、こういう世界があればいいなと素直に思わせてくれます。同時に、人の記憶というのは重要なのだと再認識させてくれました。(2004/09/12)