どこかのサイトで見かけて印象的なタイトルなので買ってあった本(どこだっけ?と少し調べてみたら、くりおねさんが紹介されていた)。
タイトルは大仰だが、amazon の内容紹介にあるように、一介の会社員がマグロ船に乗るハメになり、そこでどう感じたかをつづったもの。
ある日、ひょんなことから、マグロ船に乗るハメになった会社員の私。一度、出港したら40日以上も陸地に戻ることはおろか、逃げ出すこともできない。病院もなく、遊興施設もなく、コンビニもない、陸上とは180度異なる船上での生活は、極度にストレスの溜まりやすい空間だが、そんな場所だからこそ、漁師たちのコミュニケーション術やストレス対処法があった。大自然に立ち向かい、常に命を懸けで仕事に取り組む漁師たちの口からは、時に重みのある人生哲学も語られる。船上で目にし、耳にしたこととは一体……。
この本の中で印象に残るのは、著者がどう感じたかということよりも、著者との会話にでてくるマグロ船の船長、機関長、コック長、漁師の言葉たち。目に留まったものをいくつかを抜き出すとこんな感じ。
「いいことが起きたら喜んで、嫌なことが起きたら暗くなる。それじゃ犬と同じじゃねーか。人間はの、感情をコントロールできるんど」「マグロが捕れんときこそ、感情をコントロールしぇんと人間ダメなんど。齊藤はそげーなこともわからんのか。本当にバカじゃのう」「『努力』っちゅー言葉には、どっか『結果』という見返りを期待しちょるように聞こえるの。でもの、努力はたいてい報われんのぞ。最初から報われる期待をして努力すると、『努力したのに……』と、すぐにあきらめよる」
「何かの分野で成功した人は、もともと能力があるからうまくいったわけではなく、うまくいったってことは、きっとあの人には能力があったんだろうと、後で理由づけをされちょるだけど。だから、『能力』なんちゅーものは、考えても無駄ど」
「後ろ向きになるっちゅーのは、危険を感じる能力ど。いつでも前向きな人やらが船長をやると、絶対無茶をしよるから船があぶねーんど。それにの、後ろ向きになることがあるやつじゃないと、落ち込んでる人の気持ちやらがわからんど」
「勉強なんて、自分に自信のないやつが箔をつけるためにやっとるだけと思うちょる。結局の、人の言うことを聞くやつは、その場はいい子になれるが、いざというときに弱い。人の言うことを聞くってことは、自分なりの判断基準を持っちょらんことじゃろ?暗記したって、今じゃ本で調べりゃすぐわかる。でもの、暗記よりも大事で、いつでも役に立つ『判断力』は学校じゃ教えん」
「人のアドバイスに期待しすぎるから、的がはずれたアドバイスに腹が立つんど。えーか、『他人からのアドバイスは、たいてい的がはずれちょる』。これが普通ど。他人はみんな、自分の立場でものを考える。わざわざこちらの立場に立ってアドバイスしてくれるなんてことはないんど。じゃから、ほとんどのアドバイスはアテになりよらん。
時には厳しく牙をむく自然を相手に、せまい船内で限られた人数の同僚たちと仕事をしてきた人々の洞察力を感じさせる。この本は新書なので、なにか深遠な洞察を求めると言うよりも、普段なかなか接することのないこういう人々・状況・考えを伝えてくれるだけで買って読んだ価値があるというものである(ちなみに読みやすい文章なので、1時間と少しで読めた)。
マグロ漁について随所に説明されているのだが、想像に違わず結構大変なのでこれを読むと大切にまぐろを食べないとなあ、と思わせられた。ああ、ハラへった。
毎日コミュニケーションズ
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ええこと言わはりますなあ。
> LonesomeCowboy さん、
ほんま、ええこといわはります。