2009年3月アーカイブ

出版されてから1年半以上経つので、少し時機を逸した感があるが、起業家のストーリーと発展途上国における携帯電話インフラの普及を描いた面白い本だった。

一つ目のテーマであるグラミンフォン起業のストーリーは、いささか失礼かもしれないが、比較的よくある話。想いを持っている人(グラミンフォンの場合、バングラディシュ出身で、ニューヨークの投資銀行に勤めるイクバル・カディーア Iqbal Quadir)がいて、多少の偶然にも助けられながらさまざまな人と出会い、自らの着想を徐々に形作って、ついに起業していくというもの。

通常の起業ストーリーとすこし違うのは、移動体通信事業、つまり事業展開のためには政府からの免許が必要であり、かつ設備投資が収入より先行するという点と、それが発展途上国での事業であるという点。この2つの点において、よくある起業家のストーリーと趣を異にしている。少なくとも発展途上国での通信事業ベンチャー起業話でこのように面白く読めるものはなかなかないのでは、と思う。しかし一方で、多くの起業のストーリーと同様に、想いの実現に必要なものは、くじけない心、幅広い人脈、そして適切なタイミングで物事が前に進むための運であることが再確認できた。

この本のもう一つのテーマ、発展途上国における携帯電話インフラの普及については、北欧の通信事業者のワールドワイドな展開の一環として読むことができる。グラミンフォンには創業当初も現在も、株主として日本での NTT のような旧国営の通信事業者であるノルウェーの Telenor が深く関わっている。ノルウェーのグラミンフォンへの関与は、この本によると、バングラディシュ鉄道の光ファイバー網敷設にノルウェー開発協力局(NORAD)が関わったことから始まった。そして、グラミンフォンを起業しようと試みているカディーアは次のように認識していた。

携帯電話のオペレーションで最も成功している北欧諸国の電話会社なら、もっとも優れたノウハウを提供でき、大胆なリスクもとれるだろうと、カディーアは考えた。北欧企業は1991年に最初の国際携帯電話システムであるNMT方式(450メガヘルツ)を、1986年に900メガヘルツのサービスを、1992年にGSM方式を共同開発して事業を開始した。1995年にノルウェー人の22%が携帯電話を利用していたが、これは当時世界一の携帯電話普及率だった。今日でも、EUの携帯電話普及率はアメリカよりも高い。

北欧企業は自国の人口が相対的に少ないので、新市場に積極的に参入してきた。東欧進出の成功に続いて、北欧人は他の国々でも、脆弱なインフラ、低い購買力、官僚的な政府に ーいずれもバングラディシュにそっくり当てはまるー アメリカ人よりもうまく対処することができた。<中略>

そのうえ、北欧の電話会社はほとんどが国営で、総じてバングラディシュの開発ニーズに敏感だった。これは、ノルウェー開発協力局(NORAD)が早期に光ファイバー投資を決めたことからもわかる。

グラミンフォン立ち上げの経緯は省略するが、その途中で NORAD は重要な役割を果たしている。またグラミンフォンは Telenor が支配権を持つ形で事業が開始され(Telenor 51%、Grameen Telecom 44.5%、Gonofone 4.5%)、現時点でも Telenor のグループ企業である。ヨーロッパ的なグローバル展開といえばフランス、イギリスなどによる旧植民地へのビジネス展開だが、Telenor と Grameen Phone の場合はそうではなく北欧的な政府と民間の連携によるグローバル展開ではないかと思う。この本では Telenor や NORAD の立場から描かれていないので詳細は不明だが、もし描けるのであれば通信事業者のグローバル展開や海外直接投資などのケースとして面白いのではないかと思う(なんとなくそういうケースがどこかに転がっているような気もするが)。

最後に一つ備忘録。グラミンフォンは、マイクロファイナンスのグラミン銀行と密接な関係があり、マイクロファイナンスの話もでてくるのですが、オープンソースのマイクロファイナンスプロジェクトで MIFOS というのがある。へえ。これはおもしろいかも、と。


ギータ@森下, originally uploaded by ayustety.

近所に去年中頃にできたインド料理屋にはじめて訪れた。ランチセットで880円。
ジャポニカ米なのは少し残念だけど、ラッシーもオマケしてくれて、お腹いっぱいになりました。またこようっと。

ここに入るのは入学式以来なので二年ぶり。

二年間、長かったような短かったような。ホントに二年経ったのかという気もするが、個別のイベントを思い起こすとわりと大変な二年だったとも感じる。

まあでも終わってみれば、なんだかあっさりしたもんだ。

冷たい目でみないで。おねがいです。


赤坂璃宮@羽田, originally uploaded by ayustety.

今日明日はちょっとした family affair で大阪に戻ります。

早めに起きてうだうだしていたら、腹が減った。築地に寄って朝飯を喰うには遅く、ファストフードのモーニングセットにも惹かれないときは担担麺にかぎる。

ゴシレ@白金高輪, originally uploaded by ayustety.

今日は大学院の謝恩会@白金高輪。一昨年、スタディツアーで韓国に行ったので、完全予約制のヨン様プロデュースの「高矢禮(ゴシレ)」で。

料理はたいへんおいしく、たいへん楽しい宴でした。で、ただいまイタリアンピザレストランでワインを飲んでます。

(追加:2009/03/21 21:16)

オリジナルはケータイからのアップだったので(ケータイからは一枚しか写真添付できない)写真をすこし追加しておきます。

前菜

筍のナムル

ジョン

ゴシレ@白金高輪 外観

ベジタブルな料理ばかり写ってますが、コースにはちゃんと肉料理も含まれています。うまかったなー。

周りにはiPhone for everybodyキャンペーンで物欲スイッチが入った人が多いのですが、ぼくもご多分(?)にもれずスイッチが入っております。

iPhone

昨日、早稲田での研究会が終わった後、そそくさとソフトバンクの店舗に訪れて購入いたしました。もちろんホワイト学割with家族です。

この iPhone で、ついに移動体キャリアサービス全制覇です(NTTドコモ、KDDI au、ソフトバンクモバイル、イーアクセス、ウィルコム)。でもやっぱり UQ Communications も押さえたかったなー、なんていうのはただのモバイルサービスおたくなのかしら……



ピンクフロイドって真面目に聴いたことないのですが、縁あってライブを見に来ました。楽しみます!

無事に一週間の出張が終わり、あとは明朝サンフランシスコ空港から飛行機に乗って帰るだけ。

スケジュールし始めた頃は「余裕の日程だなー」と考えていたが、あの人に会ったり、ここに行ったりとなんだかんだと予定を入れるとあっというまに空き時間のないスケジュールとなった。まあでも、1週間の出張はこれぐらい予定が詰まっていないとつまらない。

ほぼ1年ぶりのシリコンバレーは、ハイウェイはそれなりに渋滞しているし、レストランやショッピングモールには人がいるので、思ったほど景気後退の影響を受けていない様子。こちらに済んでいる人も同じような印象を持っているという話ちらほらと聞いた。2000年頃の IT バブル崩壊で耐性が出来ているシリコンバレーには、ウォール街が発祥の今回の景気後退はさほど影響がないという話も聞いた。そういう意味では、日本の自動車産業(とくに名古屋の方の会社とか)も実はさほど影響がないのに、ここぞとばかりに色々とスリム化してるんじゃねーか、と指摘する人もいるが、もしそうだとすると、ある意味ホントにしたたかだと思う。

また、「Cloud Computing」が、かなーり buzzword 化しているのもよーくわかった。2,3年前の「Web2.0」のときと同じような感じ。もしかするとあの時よりひどいかも。と思うのは、old school な人たちもこの言葉をかなり多用していることが今回わかったからなー。まあでも、これだけ全方位から注目されているのは、他にネタがないからかなーと思ってみたり。とか言ってても、気がつくと面白いモノがでてきているので、この土地は面白かったりするのだけれど、今回はどうかしら。

あと、昔からおいしいランチを出すレストラン(インドカレーのビュッフェ韓国スンドゥブチゲベト麺)は今も相変わらず繁盛していて、sustainable quality & operation というのは大事だなーと感じた。おいしいお店が続いているというのは励みになりますね。

さあ、日本に帰ってうまいもん喰って、しっかり仕事しますか。

シリコンバレー到着翌日の日曜日はすこしのんびりしました。Monterey という太平洋岸の街に行って野生のラッコとオットセイと海鳥の一群をみたあとに、Hollister という街にあるワイナリーを3軒ほど回ってきました。

全日空の機内誌(2月号)にちょうど Monterey が特集されていて、野生のラッコやオットセイが見られるとあったので、1時間半ほどドライブすると Monterey の Fisherman's Wharf に到着。あいにく天気は曇り~小雨でいまひとつ。

Monterey Fisherman's Wharf

一番の目的はラッコ発見だったのですが、桟橋を歩いていると5分も経たずに発見。

sea otter @ monterey bay

写真ではあまり大きくないが、桟橋のそばで、潜って捕ってきた貝を胸の上で割るといういわゆるラッコ的な動作を繰り返してました。なんにも考えてなさそうでラッコ的日常の一コマなのかと。

ラッコを発見し、目的をあっさり果たしたので、あてどもなく桟橋の先のほうに向かっていくと、一匹のオットセイが。

seal @ monterey bay

オットセイはただただ浮かんだり潜ったりしているだけ。ラッコよりも何もしてない。これがオットセイ的な日常の一コマなのかと。

ちなみに Wharf の先には、オットセイの大群がいた。

seal @ monterey bay

ただ浮かんだり潜ったりしているオットセイが広い海の一部で固まっているのはなんなのでしょう。

また、海鳥たちも大集合状態。白いのはカモメで、少し大きいのはペリカンでしょうね。あとの地味目な鳥はなんだろう。

IMG_3408

というわけで Monterey の自然をそれなりに満喫したので、Monterey の Downtown でランチを食べ、Hollister のワイナリーにいきました。

1軒目は Calera Wine Company。僕は知りませんでしたが日本では漫画のおかげで有名なんだそうで。

Calera Wine Company

From Calera Wine Company

Warehouse 兼 Tasting Room からの景色はよかった。天気がよければ文句なしだったけれど。一方、Tasting Room は冷凍倉庫の一角といった雰囲気でかなり殺風景。おまけに、天気の悪さも手伝って、部屋全体が寒いし。

ワインはというと、Pinot Noir で有名なだけあって このページに載っている 2005 Mills、2005 Ryan といった Pinot Noir はおいしかったけれど、それ以外はいまひとつ。正直言って日本で有名というのが今ひとつよくわからん。生産量の25%が日本向けに輸出されているとのことなので、マンガパワーおそるべしということか。

2軒目のDe Rose Vineyardでは面白いものを見ました。

De Rose Vineyard

なにか面白かったかというとワインとはまったく関係ない「サンアンドレアス断層」。ここの Tasting Room (兼 Warehouse)は裏庭のガレージのような(Napa Valley や Sonoma ではあり得ない)とても殺風景な建物なのですが、その真ん中をサンアンドレアス断層が通っていて、年間 1.25cm ずつずれて建物を徐々に引き裂いている。

と文章で説明してもわかりにくいので、写真を。

San Andreas Fault @ De Rose Vineyard

この写真はサンアンドレアス断層に対して垂直な壁を写したもの(右上の金属プレートには San Andreas Fault についての説明が書かれている)。写真の右側が北アメリカプレート、左側は太平洋プレートに属しています。床や壁がひび割れているのは先にも書いたように年間 1.25cm ずつ互いにずれていることによって発生しているひび割れだそうです。断層に対して垂直な壁なので、写真はありませんが、壁を横から見ると 30cm ぐらい湾曲してました。

今回は 4 人で出かけていたのですが、この断層で興奮していたのは僕だけで、あとは「まあすごいけど、そんな騒ぐもんかね」という雰囲気でした。面白いのに。

あと面白かったのは、一般的な Tasting Room だと女性が対応しますが、この De Rose Vineyard ではなぜかZZ Top~ハルクホーガン的ヒゲのおっちゃんとだらしない風の若者(男)の2名の対応。それもワイン作りよりビール醸造のほうが似合いそうな雰囲気。ただ、ワインの説明をしているときヒゲのおっちゃんの説明はコンパクトで当を得ていて適切なものでした。また、だらしない風の若者(男)がサンアンドレアス断層について説明してくれたが、彼も人懐こい雰囲気でよかった。こういう Alternative な Coziness は好きですね。

さらにはワインもよかった。くせがなくて、でもしっかりしていて、日常的に飲むことの出来るテーブルワインとしてぴったりな感じ。僕らが Tasting している間に女性がさっと入ってきて、いつも買いに来るような雰囲気でワインを2ケース買っていったので、同じように感じている人がいるんだなーと思って、ちょっと印象的でした。

あともう1軒ワイナリーを回ったけれど、今ひとつ印象が薄いので、ここでは割愛。

ということで、すこしのんびりした一日でした。

p.s.
関係各方面への言い訳

月曜日からは仕事もしてますよ。ただ、仕事の話はつまらないですよね、ということで。

シリコンバレー出張の到着日の昼食はフォー、またの名を「ベト麺」にいただくにかぎりますね。この数年、シリコンバレーに出張に来ると、初日の昼食の8割ぐらいをここで食べているんじゃないかな。

ベト麺@ロスアルトス

到着2時間ぐらい前に機内食を出されて、うっかり食べてしまったとしても、Stanford/Palo Alto あたりでうだうだしてからたどり着くのに丁度いいロケーションで、なおかつ結構おいしいというのがこの店を選ぶ理由。乾燥した機内で長時間過ごした後に暖かいスープ+米麺というのは日本人的になにか抗えないモノがあるのだろうなと。午後1時過ぎに入店したのですが、満席でした。不況なのにあれだけお客さんで一杯というのはすごいな。

今日もおいしくいただきました。

Pho Vi Hoa
4546 El Camino Real Suite A12 Los Altos, CA 94022
(650) 947-1290

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