「ダビンチ・コード」の原型的な小説。ハリウッド映画的なので安心して読み進められる。
作中で重要な位置を占める NSA や暗号関連の事柄についてはそれなりに研究しているようですが、日本のことについては(重要な登場人物が日本人)ツッコミが今ひとつ足りない。日本の大学のメールアドレスは .edu ドメインじゃないし。名前もあれじゃあちょっと……
ただ、重たくなくてスピード感があり、シーンの切り替えが映画的なのですらすら読めるのでエンターテイメント小説としては出来が良い方なのでは。まあ、単行本ではなくて、文庫で十分という気もしますが。
休暇のフライトの中で読むと丁度良さそうな小説です。もともとは年末年始に読もうと思っていたのですが、自宅でぐうたらしながら読みました。
新潮社
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コメント (1)
パズル・パレスを読んで。
初めは、見たことも無いような巨大なコンピューターを創造しつつ、暗号解読をしなければトランスレーターが壊れてしまうという内容にドキドキしながら、暗号解読を予想していましたが、只のウイルスだった事に気づいた時の驚き、そんな事にも気づかなかったのかと思う程の先入観。こういった類の経験は、物語でなくとも何度となく経験しているが、文章で読み返すのは、始末書位の騒ぎではおさまらない暗いのものだった。冷や汗をかきつつ、時間と、速度の描写に、ここまで読む迄に時間はそうかからなかった。何かを守る為、栄誉を守る為に、次々と起こる事件は、自分を振り返る余裕もなく、考えもまとまらないまま、行き着く場所に辿り着いてしまった様な感覚で、読んでいる者をも虜にさせ、麻痺させる。
情報公開される以前のシークレットに働く人達の緊張と、困惑が、こちらに伝わってくる。やはり最後は、隠しとうそうとする者と、公開しようとする者が、終結を空しく終わらせている。読み終えた後で残る残存感は辛かった。スケールの大きさは、私たちのそんなに遠くない所に存在している事に気づかされる、現実にありえる話に感動を覚えてしまった。
早く次の作品を読みたくなってしまう。
投稿者: 川本 美和 | 日時: 2008年11月05日 05:27