NGN が線香花火にならなければいいのだが、とこの本を読みながらあらためて思った。
日経コミュニケーションが年に1度出版する通信関係の業界動向本。今回はテーマは NGN を補助線としてみた NTT 像。「フレッツ光ネクスト」が開始される前の今年2月に出版されており、ようやく目を通すことができた。
古い価値観に縛られているといわれる日本企業。NTT も例外ではなく、そしてその価値観は「電話的価値観」であるとしている。「電話的価値観」ができあがった背景には、1) 交換機を開発してきた経緯、2) 交換機網の運用、3) 昔の電話のビジネスモデル、があげられている。そして、この三つの背景をもとにして、
(1) 国内通信機器メーカーと組んで、NTT自らが信頼性の高い交換機を開発する「自前主義」(2) 交換機で信頼性の高い電話ネットワークを構築した後は、計画に従って維持し続けることを重要とする「計画を重視するマインド」
(3) NTTの都合でインフラを高度化してもコストを回収できるという電話ビジネスから生まれた「プロダクトアウト的思考」
という「電話的価値観」が生まれたとする。しかし、このような価値観では IP ネットワーク時代には通用しない、発想を転換して IP 的価値観をもった組織へと自らを改革していってほしい、というのがこの本に込められたメッセージである。
たしかに先日大手町にある NTT NGN のショールーム "NOTE" を見学したのだが、紹介されているものは電話的発想にもとづく仕組みやサービスばかり。上記のような「電話的価値観」をみずから強化するような、そして IP 的価値観を寄せ付けなくするような雰囲気がショールーム "NOTE" にあることは否めない。
しかし、古い価値観に縛られた組織が自浄的に発想を転換し、自ら改革することはそう容易くはない。かような状況に大きな花火として生まれ落ちた NGN が組織改革、経営変革のあだ花として線香花火にならなければよいのだが。NGN がもつ「高信頼度の IP ネットワークの実現」という目標はとても意味があることなのだから。
通信業界を恒常的に見ている人には少々物足りないところもあるが、NGN というキーワードの裏にある NTT 像を見てみたいという人には参考になるだろうという本。











