台風が近づきつつあった昨日の土曜日は授業があって、一日中学校にいました。このところ出張が続いていたので、土曜日に早稲田にいたのはひさしぶり。出張だからしかたがないのですが、それでも時間を見つけて勉強せねばならぬ、と少し反省しました。
で、午前中がゼミで修論に向けた各人のテーマについて発表&議論、午後は「デジタル時代の経営戦略」という授業で小池良次氏の話を聞きました。午前と午後で共通したキーワードとなったのは「放送と通信の融合」。
午前中のゼミでは、先日総務省が発表した「放送と通信の総合的な法体系」で言われる「プラットフォーム」とはなんでしょうね?という話題が少し。
公表資料から抜粋すると、総務省のいう「プラットフォーム」は次のように定義されています。
プラットフォーム機能は、「物理的な電気通信設備と連携して多様な事業者間や事業者とユーザの間を仲介し、利便性の高い安全・安心なコンテンツ配信・商取引利用や公的サービス提供の実現を目的とした、サービスポータル機能や、ネットワーク及びそれと連携する端末上のソフトウェア機能」と定義
この文を日本語的に分解してみると、「物理的な電気通信設備と連携して多様な事業者間や事業者とユーザの間を仲介し」というのは「仲介する」わけですからプラットフォームの機能の一部で、「利便性の高い安全・安心なコンテンツ配信・商取引利用や公的サービス提供の実現」というのがプラットフォームの目的と謳われています。すると「サービスポータル機能や、ネットワーク及びそれと連携する端末上のソフトウェア機能」というのがプラットフォームの実体というわけです。
で、いささか突然ですが、プラットフォームの種類をコンピュータのオペレーティングシステムを例にして分類してみます。
まず、メインフレームの場合には、プラットフォーム(OS)は下位構造(メインフレームのハードウェア)と密な関係で、一対一で結びついています(ハードウェアを使うためにはバンドルされたOSを使う必要がある)。歴史的にはハードウェアが成熟して、コンピュータというものへの要求機能が高度になるにつれて、柔軟に、複雑に、豊かに提供するための機能をオペレーティングシステムとして分離して取り扱ったという経緯があります。このため、オペレーティングシステムとハードウェアは同一のサプライヤーから供給されることとなりました。初期の UNIX 系マシンや Apple 等においてもオペレーティングシステムとハードウェアの関係も(歴史的な経緯はともかくとして)、ハードウェアとオペレーティングシステムがほぼ一対一で結びつけられているという点で同様の関係ではないかと思います。
一方、パーソナルコンピュータの場合には、プラットフォーム(OS : Windows )は下位構造(例えば Windows 搭載のIBM AT 互換機)とは多少粗な関係で、下位構造であるハードウェア(IBM AT 互換機)を使うためにはいくつかの選択肢がありました(例えば OS/2 ……)。プラットフォームと下部構造はモジュールとして分離されており、サプライヤーも(結果的には)別のプレイヤーとなりました。またプラットフォームの上位構造のネットワーク効果のため(かどうかなんともいえないところもあるけど……)、とにもかくにもプラットフォームは寡占状態となったわけです。
あとここに Linux のようなオープンソースを入れてもよいのですが、話がややこしくなりそうなので止めておきます……
こんなレトリックを持ち出したのも、総務省が議論してまとめた「放送と通信の総合的な法体系」で言われる「プラットフォーム」は、メインフレームのOSのような位置づけにしたいのか、それともマイクロソフト Windows のようにしたいのかどっちだろう、というのが頭の片隅にあるからなのです。総務省の「サービスポータル機能や、ネットワーク及びそれと連携する端末上のソフトウェア機能」というプラットフォームの実体の定義を見ながら、現実におけるプラットフォームの下部構造を構成する伝送インフラと端末それぞれのプレイヤーの動きを見ていると、やっぱりまだよくわからないなーと思うわけです。
というわけで、午前の話を書いていたら少々長くなったので、午後の小池氏の話はまた明日にでも。


