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システム基盤における静かな動き - Intel とその周辺 - ET 研 2006/6

湿度が高くて、もったりと晴れた土曜日、恒例の Emerging Technology 研究会に参加してきました。今月のお題は「チップ層の動向、インテルをケースに」というもの。以下は、今回の案内文からの抜粋です。

ウインテル同盟などと言われたように、アーキテクチャーの支配力は非常に強い会社なのは言うまでもないですが、最近またぽろぽろと気になる動きを始めており、チップの作り方を変えてきています。これらの変化がどこにどういう影響を及ぼしていくのかをざっと整理してみたいと思います。

チップなんか知らない、関係ないというのはどこまで通用する議論でしょうか。サービスビジネスだから自分たちには関係ないという見方は本当に正しいのか、時間の許す範囲内ではありますが、調べてみたいと思います。

まずは、インテルの歴史の話から始まって(インテルに世界初のマイクロプロセッサの開発を依頼したビジコン社では、当時の契約書が公開されている、とか)、今後のロードマップの話まで一通りのトピックをカバーしたお話を伺いました。

その説明で使用されたスライドにあった「ただの部品供給会社が、なぜ世界を席巻できるのか」という一文が、とても印象に残りました。似たようなポジションにいる Qualcomm や、Intel とは同盟関係にある Microsoft は、いってみればただの部品供給のポジションといってしまえばそれまでです。なのに、影響力としては完成品メーカーより明らかに大きいのです。ViiV や vPro や VT についても、完成品メーカーがどうパッケージングするかではなく、Intel がどうパッケージングするかの方が圧倒的に影響力が大きいですから。

しかし一方で、リソースの最適化、プロダクトラインの考え方、最新技術の取り込み方等をみていると、なんだかトヨタに似ているような気もします。部品供給メーカーと完成品メーカーという違いはあれども、ある程度成熟してしまった産業におけるトッププレイヤーは、どこかしら似ているように見えてしまうのかもしれません。

せっかくの機会なので、今後提供される Intel プロダクトをいくつか見てみることにします(といっても、既出のネタを並べているだけですが、それはそれで意味あるだろうということにして……)。

○ Viiv
家庭において、いわゆる「デジタルホーム」を実現するためのプラットフォーム。次の説明は、日経エレクトロニクスの用語解説のページから。

Viivとは - NE 今日の用語 - 日経エレクトロニクス - Tech-On!用語辞典

 米Intel Corp.が提唱するパソコンのプラットフォームの1つで,音楽や映像などエンターテインメントを楽しむ用途に向けたパソコンの仕様を規定する。ノート・パソコン向けプラットフォーム「Centrino」と同様に,同社のマイクロプロセサや周辺チップセット,ネットワーク・アダプタを規定するほか,各種ドライバ・ソフトウエアなどを用意する(図1)。Viiv対応パソコンは2006年から出荷される予定である。

 Intel社が開発中であるViiv向けソフトウエアとしては,スイッチ1つでパソコンの電源を瞬時にオン/ オフできるドライバ・ソフトウエア「Intel Quick Resume Technology」や,家庭内ネットワークの管理用ソフトウエア,動画向けの符号化技術を相互変換できるミドルウエアなどがある。

 Viiv対応のパソコン製品を出荷する際には,Intel社による試験や認証プロセスを経る必要がある(図2)。さらに,携帯型音楽プレーヤやテレビなど,Viiv対応のパソコンと接続して利用する機器に関しても同社が何らかの認証を行う予定だ。

今年一月の段階では、Viiv に対して次のような見方が強かったようです。

パソコンの「Viiv対応」は吉と出るか? / デジタルARENA

 このViivに対してパソコンメーカーは苦慮している。Viivプロモーションには参加したいが、テレビパソコンのラインアップの多くをViivにするという決断までは踏み込めないでいる。実際、MCE搭載パソコンはまだテレビパソコンの一部に留まっている。

 パソコンメーカーが全面的にViivに移行できない理由は、主に2つある。Viiv対応条件のCPUは、インテル製の高価なPentium Dなどで、同社のCPUでも比較的安価なCeleronでは、Viiv対応とは認められない。Viivパソコンは普及機以上のコストがかかってしまうのだ。

 さらに、MCEはデジタル放送に非対応で、お世辞にも使い勝手が良いとはいえない。国内パソコンメーカーは各社が映像や音楽、画像を効率よく保存・管理・表示する専用ソフトを開発して、マルチメディア機能の使い勝手を競い合ってきた。この専用ソフトと比べると、どうしてもMCEは機能的に見劣りする。

 現状では、国内メーカーにとってMCEに専用ソフトを入れるというのが、Viivパソコンでの最適な解なのだろう。しかし、テレビの録画など似たような機能がMCEと専用ソフトの両方でできると、ユーザーの混乱を招く事態になりかねない。現にViiv対応パソコンと見られる(12月時点では正式対応を表明していない)NECの製品では、テレビの録画やコンテンツの管理には、MCEではなく自社製の「MediaGarage」という専用ソフトを推奨している。ユーザーの混乱を防ぐために、MCEのテレビ録画機能を使えないようにする配慮も施している。

次の記事のようにハードウェア、ソフトウェアの両面で Viiv のアップグレードが予定されているようですが、どこまで完成品メーカーへ影響力を行使できるものか、分水嶺的なタイミングにあるといえるでしょう。

インテルのViivはどこまで進化したのか - ZDNet Japan

 インテルは6月23日、都内にてViivの現状を説明する記者セミナーを開催し、Viivが近い将来ハードウェアとソフトウェアの両面からアップグレードされるとした。


<中略>

 ハードウェア面のアップグレードについて、「第3四半期に新プラットフォーム「Bridge Creek」(開発コード名)が登場する予定だ」と述べた。Bridge Creekには、7月に発表が予定されている新型プロセッサ「Intel Core 2 Duo」が搭載される。このプロセッサは、「Conroe」(開発コード名)と呼ばれていたものだ。

 また、ソフトウェアについては、これまでのバージョン1.0から1.5にアップグレードされる。Viivソフトウェア1.5の特徴として阿部氏は、メディア管理機能とリモートユーザーインターフェース機能、ハブコネクトテクノロジを挙げている。

 メディア管理機能とリモートユーザーインターフェース機能により、例えばリビングルームのPCと他の部屋のPCをつないで管理し、両PCで同じインターフェースを再現できるほか、ひとつのPC内にあるコンテンツを他のPCでも見ることができるようになる。また、ハブコネクトテクノロジにより、ネットワークの設定が簡素化され、PCに接続された機器をすべて図で表示できる。

 バージョン1.5は、すでに完成しており、メーカー各社から発表されるViiv対応の次期PCには新バージョンが搭載された状態で出荷される。

○vPro
企業において課題となる管理性とセキュリティを高めるためのプラットフォーム。次の説明は Intel の vPro サイトで配布されているホワイトペーパーから抜粋。


インテル® vProTM テクノロジーホワイトペーパー (pdf)

インテル® vPro™ テクノロジーを搭載したデスクトップPC は、プロフェッショナル・レベルの統合型管理/セキュリティー機能を提供して、重要なビジネス課題に対応します。IT 部門は、リモートでの管理、プロビジョン、問題解決、時間外メンテナンス、セキュリティー確保をIT コンソールから直接実行できるようになりました。

最も重要な点として、このようなハードウェア・ベースの機能は、電源がオフになっていたりオペレーティング・システム(OS)がダウンしているPC であっても、権限のあるIT 技術者がオンラインで利用することができます。IT 部門は、資産やハードウェア/ソフトウェアの正確な管理、セキュリティー上の脅威の封じ込め、ハードウェア/ ソフトウェアに関する問題の迅速な解決、ユーザーの作業可能時間の拡大をリモートで行えるようになります。

インテル® vPro™ テクノロジー搭載PC は、メインストリーム・ビジネス向けに、ハードウェア・ベースの仮想化機能をサポートした、軽量版の仮想化という選択肢も提供します。ユーザーがユーザーOS 上で大量の処理を必要とするタスクを実行しているときでも、IT 部門はシンプルな自己完結型の専用仮想パーティション、つまり「仮想アプライアンス」上で重要なセキュリティー・アプリケーションを実行できます。

vPro 提供開始には、企業に IT インフラに次のような課題があると、Intel は考えている。

ITmedia エンタープライズ:Intelが新たな技術ブランド「vPro」で狙うもの

 ダン氏は、なぜ今、vProという新しいブランドが必要なのかについて、企業の競争優位性を高めるためであると説明する。同氏によると、現在、企業はITコストの9割近くを既存システムの維持・運用に充てており、新たな分野に対するIT投資が行えなくなっているという。

 企業内のPCサポートに目を向けると、その9割近くがリモートから解決できる問題で、ユーザーのPCにまで出向く必要があるものはほんのわずかであるという。しかし、そうしたデスクサイドまで出向く必要がある問題に掛かるコストは全体の半分近くになっていると指摘、電源が入っていなくとも、ソフトウェアエージェントが無効であろうとも管理できる機能があれば、この部分に掛かるコストは激減すると話す。そして、PCのセキュリティーと管理性に革新的な変化をもたらし、かつ、電力効率とコンピューティング性能の向上を実現するものがvProであるとした。

VT についても拾っておこうと思ったのですが、ずいぶん長くなってきたので、今回はこれでひとまず終わりにします。

こうして並べてみると、Intel の動きがこれまでに比べて、確かにすこし変わってきている印象を持ちました。

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2006年6月25日 19:19に投稿されたエントリーのページです。

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