木曜日。クパティーノ近郊をうろうろしていると、朝からとても天気が良くて、僕が1年半という期間限定でシリコンバレーに住みだしたときのことを思い出しました。ニューヨークとワシントンで同時多発テロが起こる3ヶ月前、2001年6月のことです。移ってきて最初の2週間ほどは Saratoga Ave. 沿いの長期滞在者用ホテルに住んでいました。
アメリカでの生活は2回目なので、その面での不安はあまりありませんでした。むしろ、まったく知らない面々のオフィスで働くほうが不安だったわけです。なんといっても、一日の大半を過ごす場所です。周りの人たちとうまくいかなければどうしよう、と心配してみたり。緊張した一週間が終わった最初の週末には、ホテルの部屋でこういうことを考える神経質な時間を過ごしたことを憶えています。その日はとてもきれいに晴れ上がった日でした。
しかし。しばらくするとそれは杞憂に過ぎなかったことがわかります。周りにいるのは、面白いことを仕掛けてやろうという意気込みにおいてなにか通じるものがある人たちです。また、ある一定期間日本を離れてシリコンバレーで生活を送ることになったという点でも共通項があります。さらには、彼らはさまざまなバックグラウンドを持っています。学ぶことができる経験や知識や考え方はたくさんあります。そういう環境にいると、ネガティブさを強める要因はありません。逆に楽しいぐらいです。最初はいろいろ考えるものですが、ひとたび始めてしまうと屈託無く物事がすすんでいくものだなぁ、と、いつの日か感じるようになりました。
1年半の生活が終わり、日本に戻ってからも何度かシリコンバレーを訪れていますが、今回、久しぶりにそのときの感覚を結構リアルに思い出しました。その時の記憶がフィードバックしてきたのは、この地で生活することになった東京で一緒だったメンバーとしばらく一緒に過ごし、ちょっとした追体験をしたからでしょう。今回、そのときの感覚を追体験できて、いろんなことを再確認できたような気がします。
そして、これからこの地で生活を送ることになった彼に言えることは、「ここはわけのわからないことやいろんな未知のことが起きるところなのでうろうろ/きょろきょろすることもあると思いますが、是非、そういうことを『ちゃんといいかげんに』楽しんでください」ということです。
適度に力を抜いて、がんばってくださいな。


