通信事業者としては、上流であるコンテンツプロバイダーと、下流である消費者を比べて、上流サイドに決定権がないことを指摘するためには「『消費者が王様』の時代に」と言わざるを得ない、というわけですな。
これからは「消費者が王様」の時代に--通信業界のトップたちがセッションに参加
「消費者のお金の使い方が大きく変化している。われわれは柔軟なビジネスモデルを用意しなければならない」とDisneyの最高経営責任者(CEO) Robert Iger氏は述べた。「これまでは、コンテンツは王様だとよく言われてきたが、(今は)消費者こそが王様だ」(Iger氏)
消費者の多様化に対するためには通信事業者がこれまでに繰り広げてきた硬直化したビジネスモデルではよろしくない、反省している、と。でも、多様化の対応力をコンテンツに求めるのもイヤなんでしょうね。通信事業者からすると、消費者がコンテンツの Variation に目を奪われて、通信インフラの存在意義がたんなる「土管」に成り下がり、スルーされまくるのはイヤだと。だから「お客様は神様だ」と、普通のビジネスでは当たり前のことをわざわざ言い出して、通信事業者に決定権があると誇示したいのでしょう。
一方で、通信事業者が「土管」業者に成り下がらないために、こういうことも言わなければならなかったりする。
しかし、消費者が多くのコンテンツにアクセスするようになるにつれ、問題も発生している。DisneyのIger氏と、日本電信電話(NTT)代表取締役社長の和田紀夫氏は、デジタル著作権管理に関する懸念を表明した。「著作権の侵害といった問題を解決する必要がある。コンテンツが保護されていない状況では、コンテンツに対する投資をサポートすることも難しい。通信機器メーカーやソフトウェアメーカーが支援してくれるならば、われわれも、自分たちの作ったコンテンツをより容易に配信できるように通信機器メーカーやソフトウェアメーカーに協力することができる」とIger氏は述べた。
通信機器メーカーやソフトウェアメーカーにとって、通信事業者と組むのがいいか、それともコンテンツプロバイダーと組むのがよいのか。選択肢はいろいろあるでしょう。著作権の侵害なく、コンテンツを容易に流通させることができるのであれば、そういう機能は通信基盤で提供されていても、コンテンツそのものに埋め込まれていても、それともエンドデバイスでの実現でも、いずれでもいいわけですから。
ただ、通信事業者としては情報流通網にある程度のコントロール(制御権)を留保しておきたいのです。アメリカも日本も「放送と通信」、「固定と移動」という軸での「融合」が大きな流れになってきているし。その中で、消費者の多様化に対応ができ、コンテンツの保護も可能で、セキュリティも高いレベルだと謳うために、各種メーカーに協力してもらいつつも、通信事業基盤におけるコントロールが必要だといろんなところで繰り返し言わなければならない。これで他のプレーヤーへの影響力も損なわなくてすむし、設備産業としての投資保護という点もある程度コントローラブルになる。
しかし、コンテンツプロバイダーだけではなく、上位サービスプレーヤーである Web2.0 な人達や、端末メーカー群もいるんですよね。通信事業者って大変だ(棒読み)。


