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『ウェブ進化論』 梅田望夫(ちくま新書)

去年の秋、日比谷で行われた梅田望夫氏の講演会を聞きにいったことがあります。新潮社の雑誌『フォーサイト』が主催していて、一時間ほどの講演と一時間近くのQ&Aという組み合わせで、あっという間に時間が過ぎました。非常に楽しかった記憶があります。

この講演会は、終了後からログがすぐさまブログにアップされたり、そのログをみて梅田氏が自身のブログでコメントされたりと、ネット的には盛り上がったところもあったのだけれど、僕自身もいろいろ考えたことはありながらも、ばたばたした時期だったので自分のブログにエントリを書くことも無く、話を聞くにとどめていました。

『ウェブ進化論』はその時の話と、梅田氏のブログ "My Life Between Silicon Valley and Japan" を普段から読んでいると、内容はだいたい想像できるだろうと踏んでいました。実際に読んでみると、やっぱりある程度はこれまでに梅田氏が書かれたり話されたりしたことの(発展途上の)サマリーになっていました。

ただ、出版開始後すぐに手に入れて、ちんたら読んでいると「この人、ネットにいない人にネットを伝えるために”書籍”というフォーマットでものすごいがんばってこの本を書いたのだな」と強く感じました。旅行というのは実際に現地に行って初めてその土地の空気やにおいを感じられるのだけれどそれを伝えるための良質な紀行小説、のような位置づけを目指したのがこの本なのじゃないかなぁ、と。

実際に、梅田氏自身もブログでこのように話しています。

[ウェブ進化論] 「ウェブ進化論」asahi.comインタビュー裏話

日本における良質なものと良質なものが互いに理解しあえないのは不幸なことだ。しかしその二つの別世界は、きちんと言葉を尽くすことで、理解しあえるのではないかと僕は信じているのだ。

……とここまで書いて、時間が無かったので(というのは半分嘘で、忘れてたというのがホントのところかも)十数日ほったらかしてたのだが、この二つの別世界について、梅田氏がインタビューでウマく説明してるのを見つけたので引用して、最後をちょろっと書くことにします。

梅田望夫インタビュー webちくま

リアル世界の人(中高年)の多くにとっては、日本の会社というのは、コミュニティとしてすごく楽しい。(雰囲気の、人間関係の)いい会社で、会社の業績がよかったりすると、仕事と遊びと自己実現が一つのコミュニティのなかで全部できてしまう。日本の高度成長期を通過した多くの人たちは、程度の差はあれ、こういうことを経験してきている。「リアル世界というのはすばらしいものだ」と。ところが、今の若い世代というのは、90年にバブルが崩壊して以来15年くらい、昔のような良きリアルな感じがないところで育ち、その一方でネットが出てきて、ネットの向こう側というのは、たとえば、オープンソースにおけるコラボレーションとか、ネットを介して誰かに出会うとか、こちらはものすごく上質な経験ができ始めている。ここに、とんでもない断絶がある。

それが、会社であれば上司と若手の間にあるし、家庭のなかだと親子の間にある。全員が全員ではないけれど、ネットで深くていい経験をしている人ほど、その経験をたとえば親に伝えようと思っても、親はそれを受け止めるスキームがない。だからもう話してもしょうがない、自分たちの仲間だけでやろう、こういう感じになりやすい。インターネットがでてきてもう10年ですから、そういうことがどんどんアキュムレイト(集積)していっている。そういう感覚を持っていた人が、僕の本を読んで、みんな、激しい反応をするのです。この本を親に読ませたい、上司に読ませたい、というふうに。「感動して泣いた」という人もいる一方、怒り出す人もいる。この本をめぐる反応の振幅は非常に激しいです。

要するに、お願いだから読んで、何が起こっているか理解してください、という感じです(特に IT 業界にいるならね)。だって、大抵の人が説明するより、迫力があってちゃんと描かれているんですもの。頼みますよ、先輩。

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コメント (2)

梅田望夫さんの講演は聞いたことがないですが、話題になっている新書なので僕も読みました。感想をブログに書かなきゃ。

ご存知かもしれませんが、FACTAの編集長ブログで、この本を批判的に読み解いた書評を載せています。
http://facta.co.jp/blog/archives/evolutionism/index.html

> FACTAの編集長ブログで、

この雑誌も、この編集長も知りませんでした。

ブログのエントリがいちいち長いので全部読んでないのですが、直感的に言うと、フロンティアに立てない人がぐちぐち言ってるような雰囲気ですね。

あと、梅田氏の Google 原理主義に拘泥しすぎると、その先が見えなくなるんだけれどなぁ、という印象も浮かびました。

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2006年3月18日 21:54に投稿されたエントリーのページです。

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