FujiSankei Business i に、今夏の提供開始が予定されている NTT ドコモの HSDPA ベースのサービスで定額制のサービスの提供を決めたというニュースがある。
中村維夫社長は、HS-DPAの導入にともない、「データ通信の本質は定額制。当然考えなければいけない」とし、使った分だけ料金を支払う従量制と定額制の二本立ての料金体系を検討していることを示した。<中略>
HS-DPAは今夏にボーダフォンも導入予定。KDDIのauもデータ通信の高速化を予定している。また、年内にアイピー・モバイルが、また来年以降にイー・アクセスとソフトバンクが、新規参入する携帯電話事業でパソコンにつないでの高速データ通信サービスに定額制を導入する見通し。ドコモの定額制導入はこうした新規参入組を牽制(けんせい)する狙いもある。
ドコモが定額制を導入した場合、それはソフトバンク、イーアクセス、アイピーモバイルのような新規参入組を牽制するのではなく、引くに引けない状況を作り出して自らモバイル市場を泥沼化する一方だと思うのだが、そういうふうに指摘することって、マスメディアではまず見かけない。だいたい、ソフトバンクもイーアクセスも長い目で見て携帯ビジネスを展開するといっているが、あれっぽっちの周波数帯域しか割り当ててもらえなかったら、どこまで本気でやる気があるのかなんともいえないと思うのだが。そういう指摘もあまり見かけない。
NTT ドコモや KDDI (au) にとっては、今のうちに電波開放&新規参入政策をやわらかくつぶせるオプションを検討し、打てる手を打っておくことは必要だろう。
また、データ通信の裏側には、Skype やら Google Talk のような、従来の電話サービスとは異なるビジネススキームをもった無料の電話サービスの仕組みが控えているわけで、NTT ドコモがデータ通信の定額制化によって、これらの無料電話サービス普及への先鞭をつけるとも思えない。
端末を囲い込んでいるから大丈夫といっていても、ソフトバンク、イーアクセス、アイピーモバイルのような新規参入組がオープンな端末戦略にシフトしない可能性がないわけでもないし、さらにはこの後電波の割り当てが予定されているモバイル WiMAX についてはオープンな端末戦略になる可能性のほうが高いわけだから、NTT ドコモ的にはまだまだ従量制で ARPU を下げないようにするほうが正しい戦略なのでは、と。
従量制から定額制にシフトするタイミングはもう少し先のことだと思っている(思っていた)のだが、その時期がもう来てしまったのだったら、「そりゃないだろう」とつぶやく人はいろんなところにいるような気がする。


